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2020年4月

忘れないということ

1997年4月14日、諫早干潟(長崎県)は長大な潮受け堤防で閉め切られた。

干潟や湿地の保全活動を行う人々は、この日を忘れないために、
1999年から「湿地・干潟を守る日」として様々な活動を継続してきた。

今年も、日本湿地ネットワークは宣言文を発表。

■「2020干潟・湿地を守る日」宣言
http://www.jawan.jp/wdj/2020/notice/sengen.html


諫早でも、慰霊を続けている方がいらっしゃると知って、胸が熱くなった。

■諫早湾干拓・堤防閉め切りから23年…ひとりで慰霊祭を行う男性
KTNテレビ長崎の記事より

http://www.ktn.co.jp/news/20200414007/

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この日はまた、2016年、熊本で震度7の地震が発生した日でもある。

忘れない。忘れない。そこにあったこと。そこにいたこと。

 

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ありがとう、Yさん。

大切な人が逝ってしまった。

韓国や九州・沖縄の干潟を、ともに調査し歩きまわった山下由さん。

多才で誠実で、海を愛し、貝を愛し、歌を愛し、
そして人にも優しいひとだった。

いま、山下さんと過ごしたあまたの時間を思い起こす中で、
とりわけ印象に残っている場面をここに紹介して、
彼への追悼としたい。

こんなふうに回想することになるとは思いもせずに、
その美しい一場の光景を、
私は写真で、山下さんは一編の詩にして残した。

 

2001年9月2日 
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韓国セマングム(西海岸の大規模な干潟域の名称)にて
沈みゆく夕日

この直後、小さな漁港Buldeung(ブルドゥン)に立ち寄る

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一日の仕事を終えて酒盛りをしている漁師さんたちに
いつのまにか我々日韓共同干潟調査団のメンバーも仲間入りして、
そのまま浜辺で車座の大宴会。


以下、詩は山下さん主宰のホームページ
Wild Word Songs から転載

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Let's go Buldeung!


ああ 夕日が沈みかけて
暑かった一日が終わろうとしている
話しかけた全てのものが
もといた場所に帰ろうとしている
Yeah! Let's go Buldeung!
This is THIS!

浜辺には古い船
二人の小さな女の子
世界が金色に変わる時間に
みんな もといた場所に帰る
Yeah! Let's go Buldeung!
This is THIS!

この夕暮れを飲もう 歌おう
メッチュ チョセヨ
ソジュ チョセヨ
俺も昔 ここに住んでいた
Yeah! Let's go Buldeung!
This is THIS!

風景は変わる
住んでる人の顔もそう
でも 二人の小さな女の子が
いつまでもこの夕暮れの浜辺に帰れますように
Yeah! Let's go Buldeung!
This is THIS!


21 November 2001

*Buldeungは干拓計画の迫る韓国西海岸セマングムの小さな漁港.
「THIS」は韓国の煙草の銘柄.
「This is THIS!」は偉大なる原始人・ゴルチョ・韓国の朋友・北さんの名文句。
「メッチュ チョセヨ」は「ビールをちょうだい」。ソジュは焼酎。ここはヨギ!!

=============【転載ここまで】=================

 

一日の調査のあと、みんな腹ぺこで向かった食堂。

メッチュ チョセヨ
ソジュ チョセヨ

の声が、今も耳の奥に残っている。

山下さん、あの麗しい Buldeng にもう一度帰れましたか?

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