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『闇の子供たち』

凄い映画を見てしまった。『闇の子供たち』

観に行ったのは昨日で、平日の真っ昼間だというのに大きいホールが半分以上うまっていた。ほとんどが女性だ。日頃から軍の暴力と隣り合わせで暮らしている沖縄女性にとって、他人事ではないと感じさせる何かがあったのだろうか。

アジアのほかの国々でもこういうコトはたくさん起こっているし、日本でも人身売買同然で働かされている人々はたくさんいると聞くが、映画の舞台はタイと言う設定だ。

10歳くらいの子どもたちが街へ売られて行く。少女だけではない、少年もだ。連れて行かれる先は売春宿。

売春させられる子どもたちの存在を知ってはいても、それが本当に意味するところを、今までわたしは全く理解していなかったのではないかと思えるような戦慄を覚えた。自分自身の想像力の貧困さと映像の力が持つおそろしさを感じた。

日々苦しみのなかにあって、病気になればモノのように捨てられ、あるいはまた臓器移植の提供者にされ、けれど懸命に家族を思い、きょうだいを思い、生き続けようとする子どもたち。

一方、大人達の欲望のなんとおぞましく醜いことか。

物語は現実社会と同じく、安易な解決策を提示しない。そうして光と闇の様々な方面から関るすべての人が深い傷を負い、ときには光と闇が入れかわる複雑さをも描き出して見せる。

「オマエはどうなんだ」「どうするつもりなんだ」と、観客一人ひとりに突きつけた状態のまま、映画は終わる。

映画が終わって客席を離れても、人々は押し黙ったまま、葬送行進のように誰も暗い表情で上映室を出ていった。本当に皆がみな一言もしゃべらなかった。非常に重く、後味が悪い。

一日経った今、こうして思い出しながらブログを書いていても胃が痛くなるような映画だ。でも、できるだけたくさんの人に観て欲しい。

…どうすれば、「買う側」のニンゲンを減らせるだろうか。

※那覇の桜坂劇場で上映中(10月17日まで)。ただし、10月6~8日は沖縄市民小劇場あしびなーで上映があり、桜坂は休映だそうです。

※原作はこちら。

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