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『化学物質過敏症』

注文していた本が届き、一気読みしてしました。

『化学物質過敏症』 ( 柳沢幸雄ほか著、文春新書 (230) )

私はアレルギー性鼻炎で子どもの頃は気管支喘息もありました。合成香料の匂いや食品添加物に敏感で、一般的な合成薬は効き目よりも先に副作用で苦しくなるし、食品や漢方薬でも望ましくない効用の方が強く現れてしまいます。こうした化学物質に対する過敏症状は数年前からジワジワと強くなってきたような気がしています。

「化学物質過敏症」のようでもあるし、違うようでもあるし、どうもわかりません。化学物質過敏症の人の多くは、ある日突然発症しているらしいからです。でも、とりあえず勉強しておこうと思って買ってみたのでした。

読んでみてわかったことは、もしかして、子どもの頃に住んでいた家が所謂シックハウスだったのかも知れない、ということです。

この本によると、化学物質への耐性には個人差があるし、大人よりも子どもの方が敏感のようです。そして、微量の化学物質に曝されることで、もともともっていたアレルギーが強く出ることがあり、また精神疾患に似た症状も出るらしいのです。

私は中学の時、古い木造住宅から新建材のテラスハウスへ引っ越しました。同時に学校も8年前(だったかな?)に建ったばかりの新建材を多用したピカピカの学校に転校しました。

春爛漫。引っ越して程なく近所の植え込みのツツジが咲き乱れた美しい季節に、しかし私は急激に気分が塞ぎ、終日だるく頭痛がして、アレルギー性鼻炎もひどくなるし、一度治っていた気管支喘息もぶり返していました。これらは、精神的なストレスからも引き起こされることもあるのですが、同時にシックハウス症候群でも見られる症状なのだそうです。

医師には「学校がおもしろくないんでしょう? 自律神経失調症ですね、抗うつ剤を出しておきます」などと言われ、しばらくは薬も飲んでいましたが、ちっとも効かないので薬は一週間ほどで自主的に止めました。

あのころ、弟も視野の狭窄があると言っていました。それも化学物質過敏症の症状にあるのです。反応する物質は人それぞれだし、症状の出方もまた人それぞれですが、極微量の化学物質に過敏に反応してしまう、というのが化学物質過敏症の共通した症状。

入居したテラスハウスはいくらか築年数が経っていたから、新築ほど劇的な症状は出なかったのかも知れません。でも例えば合板や壁紙に使用されていたのがホルムアルデヒド系の接着剤だった場合、接着効果が続いている限りはそれが微量に空気中に放散され続けるのだそうです。とりわけ温度と湿度が高まると、その放出量は増えるそうですが、その家は西日がよくあたり、特に私の部屋は夏場、37度をこすこともありました。

その時には気づきもしませんでしたが、あるいはすでにシックハウス症候群だったのかも知れません。高校になって生活環境がかわり(今思えば、ありがたいことに高校の校舎は特別古い建物だった!)、中学時代より少し体力も付き、在宅時間が少なくなるといろいろな症状が緩和されていったことを覚えています。 

もう一つハッとしたのは、これも一時期住んでいた家のこと。家の裏は松林を挟んですぐ日本海、というスバラシイ環境でした。でも、松林には松食い虫の被害が付き物で、その薬が散布されていました。家の前は畑で、ここでも農薬を撒いていたかもしれません。そうそう、隣家は庭に平気で除草剤をまいていました。買い物に行くには田圃の農道を通るのですが、農薬を撒いているときにあたると眩暈がするのでなるべく息をしないように通過していました。時々遊びに行く河原では、ビニールやプラスチックを含むゴミが野焼きされていて、臭いに閉口した覚えがあります。

所謂ウィンターブルーにしては夏場も体調が芳しくなく、回転性の眩暈で動けなくなったこともあります。それだけではなくて、時々訳もなく悲しくなって泣いたり、わっと叫びたくなったり、ものを投げつけたくなったりする押さえ難い衝動があって、一体自分はどうなってしまったのだろう、ストレスから神経症を患ってしまったのだろうかと思っていました。でも、それも化学物質過敏症のせいだったかも知れません。

実際のところ、極微量の化学物質でそんなふうに突然「キレて」しまう患者さんもたくさんいるそうです。そして、最近よく報道される、突然「キレる」若者は、化学物質過敏症かもしれないとも書かれていました。タバコの煙とか排気ガスとか、日常的に身の周りにあるものでそういうことが起こりうるのです。ヨーロッパでは「行動異常(ハイパーアクティビティ)」の子どもたちが増えていて、食料品(に含まれる添加物)や室内の汚染物質が原因であることが証明されているそうです。

でも、そのころの私は自分の体の調子が常に悪いことが本当にイヤでイヤで、向き合おうとしていませんでした。だって、「ちょっとマシ」か「とても悪い」かの間しかないんです。「調子がよい」とか、「頭がスッキリしている」なんてありえませんでした。だから体の調子については考えるだけでうんざりで、不安な一方、気にしないことにもしていました。環境を変えない限り治らないということはなんとなく直感していたし、どんなときに「特に」具合が悪くなるかなんて、考えもしませんでした。

そのときの具合の悪さは、引っ越しで環境を変えた途端、本当に驚くほどよくなりました。ストレスから解放されたからだと解釈していましたが、もしかしたら農薬などの化学物質から遠ざかったためだったかもしれません。その両方というのも考えられますね。

その一方で、田舎から街中に来たためか、しばらくは排気ガスがものすごく気になり、喉が痛くなったりしました。

さらに考えてみると、図書館など文書を保存しておくところでも何年か仕事をしていました。図書館では虫害から本を守るためにたびたび薫蒸するわけで、一般のオフィスより化学物質の濃度が高いんですね。そういえば小学生の頃、大きな図書館に行くと決まって頭痛がするので図書館が嫌いだったことを思い出しました。同じ頃、クーラーにあたると頭痛がすることを発見して、図書館で頭痛がするのはそのせいだと思っていましたが、もしかしたら子どものもつ鋭敏な感覚で、薫蒸剤にも反応していたかも知れません。

今は大型チェーンの古本屋に長居できません。やはり消毒薬の匂いがきつくて…。そこで買ってきた本も、何日か風にさらしてからでないと読んでいるうちに気分が悪くなってしまいます(T_T) 

結局、自覚のないままけっこう化学物質を浴びていたのかも知れませんね。様々な物質を浴び続けているとある程度麻痺してしまって、一つ一つの物質に対する反応は弱くなるようですから、私の場合、新築のシックハウスで症状が出るような劇的な発症ではありませんでしたが、ジワジワと耐性容量をこえ、ゆっくりとあふれ出してしまったのでしょうね。あるいははじめから化学物質に対して極端に耐性がない体質だったのかも。

化学物質過敏症に、特効薬はありません。そしてこの症状が進めば、今の日本では住める場所がほとんどないこともまた事実。八方塞がりです。

戦前ならあたりまえだった、添加物漬けでない「まともな食べもの」と、化学物質の曝露がない安住の地が欲しい… 

最後に一つ。化学物質過敏症では、極度の冷え性も引き起こしやすいのです。冷え性のアナタ、なにか心当たりはありませんか? 

化学物質過敏症は花粉症同様、誰にでも起こりうるものです。気密性が高く虫も寄りつかないピカピカのマンションに住み、無防備に合成香料を使い続けていたら、ある日突然自分のつけている香料にすら耐え難い頭痛を感じる、なんてことが起こるかも知れません。ご用心、ご用心…。

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