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シロアリの結婚飛行

Photo 朝、いつものように玄関脇の植物たちに水をやろうと外に出て、珍しく霧がたちこめているのに気付いた。見慣れたご近所の様子も乳白色の空気の中でいつもとちょっと違って見える。水やりを終えてから、しばらくぼんやりと眺めていた。うちのアパートの玄関は北西側にあって、目の前の土地では近所の人が自家消費用の野菜をつくっている。その西側は庭に柿やマンゴーが植えて ある一軒家で、そのまた西隣では月桃が栽培されている。それぞれの緑が季節ごとに目を楽しませてくれるうえ、鳥やカエルや虫の音も聞こえてきて街中とは思えない環境の良さだ。

Photo_1野菜畑の東側には元気に草の伸びる駐車場と、池を備えた立派な庭のあるお宅がある。最近葺き替えたばかりの屋根の赤瓦が霧にしっとりと濡れてなかなかの風情だ。が、何か様子が違う。その軒のあたりから、半透明のフィルムの切れ端のような物が、まるでシャボン玉のように次々と湧きだし、東からの風に乗って少しずつ広がりながらふうわりとこちらの野菜畑の方に流れて来るではないか。なんだかよくわからないがその光景は白っぽい空気の中で妙にメルヘンチックに見える。

ふと気付くと、いつの間にか鳥たちが驚喜の声をあげていた。屋根の下から湧き出す半透明の物体は、どうやら風に乗るだけでなく、それぞれが少しは意志を持って移動しているようであり、鳥たちはそれをついばんでいるのだ。よく見るとなんとそれはシロアリなのであった。

この季節になると毎年やってくる夜のお客だ。急に蒸し暑くなったある夜、明かりを目指して一斉に家に入り込み、着地するやいなや羽を落とし、畳の上を這い回るやっかいものだ。昨夜も一匹畳を這っているのを見つけ、素早く金魚の餌にしたところだ。しかし、朝飛び立つとは知らなかった。霧のせいだろうか。

さて、木造の家に暮らす人間にとってはやっかいでも、鳥たちにとっては大ご馳走だ。まず最初に飛んできたのはツバメで、鋭い飛行を続けながら次々とシロアリをフライングキャッチ。次ぎにイソヒヨドリ。アパートの屋上や一軒家の屋根の上で着地したシロアリをぬかりなくキャッチ。ちょっと不思議なのがシロガシラで、はじめはとにかく空中で瞬間ホバリングなど繰り返しながら必死でシロアリを捕まえていた。しかし、体型的にも体勢的にもそういう捕らえ方はどうも合っていないように見える。しばらくしてシロガシラの数が増えてくると、やはりイソヒヨドリと同じようにちゃっかり屋根の上で捕まえるものが出てきた。それでも時々待ちきれなくなるのかフライングキャッチをするものがいる。気付くとスズメもシロガシラに混じって屋根でシロアリを追いかけているが、こちらは飛んでいるものまでは捕まえない。そのうちキジバトもやってきた。こちらは地面で待ち伏せ。ひたすら歩いて次々に捕獲。鳥によってこんなにも餌の取り方が違うなんて、いやぁ、おもしろいですねぇ。しかも、家にいながらこんなのが見られるなんて、本当にいいところだなぁ!

シロアリの湧きだし(?)が一段落してきた頃、部屋に入った。7時にバケツを持って水やりに出たはずなのに時計を見たらもう7時半になっていた。それにしてもアリが湧きだしていたあのお宅、大丈夫かなぁ。赤瓦は結構重いんですよ。

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コメント

もうそんな季節なんですね。
この間親父の実家にいった時も、雨の後暖かくなったせいか玄関の梁から羽アリが後から後から湧き出して真っ黒になってしまった。どこまで巣がひろがっているか恐ろしい・・・

投稿: いたち | 2007年5月27日 (日) 22時57分

お父様のご実家、心配だねー。見えないところでスカスカにされちゃうからなぁ!私の住んでるアパートは鉄筋コンクリートだけど、アルミサッシが取り付けてある木製の窓枠が怪しい。年々脆くなってきてカーテンレールがはずれてきた。今度補修しよう^^;
ところでそっちのシロアリの羽アリは黒いの?それとも言葉のアヤ? 沖縄のは本体はキツネ色というか黄土色というか、茶色系だけど。

投稿: こあら | 2007年5月28日 (月) 13時29分

羽アリだけ身体が黒かったのよ。最初は普通の黒アリの羽アリだと思ったぐらいです。大きさは沖縄のシロアリの1/3ぐらい。

投稿: いたち | 2007年5月28日 (月) 23時24分

へぇ~、色々種類があるんだね。
ということでインターネットで検索をかけてみました。
ヤマトシロアリの羽アリですかね?
参考サイト
http://homepage3.nifty.com/LEAD-HOUSE/haari.html

投稿: こあら | 2007年5月30日 (水) 19時13分

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